川越城址と小江戸の街（前篇）

29日、川越線の撮影の後、城下町川越、ＮＨＫの連ドラで話題の川越をたっぷり
歩いてきました。

まずは、100名城にも選ばれている川越城址へ。
この川越城、別名初雁城ともいい、江戸の西北を守る重要拠点として、代々老中あるいは
それに準ずる格の大名が城主となった城として有名です。当地に近世城郭を築いた酒井
忠利、「知恵伊豆」こと松平信綱、柳沢吉保などが城主を務めました。
また、当時を偲ぶ遺構が少ない中で、全国に2か所しかない現存本丸御殿があることで
有名です（もう1か所は高知城）。
その本丸御殿を観るべく、いざ城址へと向かったのですが、行ってみてびっくり、というか、
ガックリというか。何と、保存修理工事中ではありませんか。去年の10月から平成23年3月まで
2年半もの期間をかけて、ほぼ全面的に解体した上での保存工事とのこと。
確かに、文化財は補強工事などを施していかないと、後世にその姿を残せないのは分かりますが、
何もこの時期、ＮＨＫを通じて全国に川越の名が広まり、多くの観光客で賑わうこのタイミング
で、まったく見学できない状態にするとは。観光客、お城ファンなどを完全に無視した、とても
大胆な作戦に出たものですね、川越市も。いっそのこと、100名城からも除外すべき、とすら思い
ます。埼玉県民として情けない。
とはいえ、数少ない遺構の写真を撮ってきました。

まずがこれ。工事中の本丸御殿。


近くには本丸門跡の碑。そして、道路をはさんで反対側にある博物館の脇には蓮池門跡の碑。
　

その博物館の正面には、城内にあったという霧吹きの井戸。ちなみに100名城スタンプはこの博物館
の受付に置いてあります。そして田曲輪門跡の碑。
　

これは、写真では木が生い茂ってるばかりで分かりにくいと思いますが、富士見櫓台跡。ここには
天守に相当する3層の櫓が建てられていたそうです。今は、この小さな丘の上にちょっとした広場と
神社があり、また途中の階段の脇には城址の碑があります。


　

本丸御殿の東側にある初雁球場の更に東側には、元々川越城の外堀だったという新河岸川
が流れています。鯉が泳いでいるのが分かりますか。


本丸御殿のすぐ脇、三芳野神社の境内は天神曲輪跡です。この三芳野神社、川越城の鎮守
として寛永元年(1624)、時の城主酒井忠勝によって再建されたと言われているそうです。
ここは、童謡「とおりゃんせ」のモデルとなった「天神さま」で、神社の一角にはわらべ唄発祥地
の石碑もあります。


本丸御殿から900mほど歩いたところ、喜多院というお寺の横に、日光東照宮、久能山東照宮
とともに3大東照宮と言われる仙波東照宮があります（そもそも、東照宮がこの３つのほかにも
いくつあるのか知りませんが）。
これは、徳川家康の遺骸を久能山から日光に移葬する途中、喜多院に4日間逗留して供養した
ことから、この地に天海僧正が建立した、ということだそうです。
随身門、拝殿、本殿、唐門などが重文に指定されています。
（これは拝殿）

（そして本殿）

（随身門）

（拝殿の前にある、三葉葵の紋。「この紋どころが目に入らぬか～！」と思わず
言ってしまいます）


～後篇へ続く～

タグ：川越 城址 100名城 小江戸 東照宮 富士見櫓

コメント 3

昨年親をつれて観光に行ったのですが、川越はいいマンホールの蓋が多くて、好きな街です。（もちろん観光名所も楽しいですよね。）

川越市のマンホールの蓋
http://pht.so-net.ne.jp/photo/mshouji/images#t=%E5%B7%9D%E8%B6%8A%E5%B8%82
by Morimo (2009-05-03 01:14) 

本丸御殿、このように大々的な工事だったのですね。
先日行った時、「工事中」　と　あったので、どんな感じなのかと思っていたら。。
こうして拝見すると、
改めて　ゆっくり散策したくなります。
「つばさ」
勿論　見てます＾＾ｖ

by える (2009-05-03 01:31) 

本丸御殿見たいですね。確かにこの時期に工事やらなくてもいいですよね。
葵の御紋がすごい。金ぴかで、これでもか、という存在感ですね。
こんなの見せられたら、ごめんなさい、と言ってしまいたくなる気分が分かります。
by ノリパ (2009-05-03 03:30)