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武蔵国 土屋陣屋跡へ [関東]

先日、さいたま市西区土屋にある、土屋陣屋跡に行ってきました。

この土屋陣屋、徳川家康の家臣、関東郡代の伊奈忠次が荒川改修・新田開発のために1590年から
1610年の間に築いたものだそうです。ということですから、かなり古いものです。
伊奈氏の本拠は、今の伊奈町丸山にあった小室陣屋で、土屋陣屋はこのあたり一帯の開発のための
出先のような存在だったようです。
その伊奈氏の本拠が川口市赤山の赤山陣屋に移った頃に、土屋陣屋は伊奈氏の家臣永田氏に譲られ、
何と、今に至るまで永田氏がここに在住しています。
江戸時代になる前にあった陣屋に、先祖代々今も住んでいるなんて、非常にロマンがありますね。

その土屋陣屋には、江戸後期に建築された長屋門と築地塀が現存していて、永田氏の居宅の出入口に
なっています。
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陣屋の正面東側の水堀。こちらも門とともに現存する貴重な遺構です。
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そして、長屋門と築地塀。個人のお宅の門、という希少性だけでなく、その規模の大きさにも圧倒
されます。市内にある長屋門では最大規模で、県の有形文化財に指定されています。
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正面西側の堀です。
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陣屋の西側。堀は陣屋の四方を囲むようにして、今もほぼ残っています。
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陣屋の北側の堀。
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北側を更に進むとこんな感じです。
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陣屋の遺構なのか分かりませんが、裏門付近です。右に堀、左に池があり、それが最も近づいた
あたりが裏門で、土橋のような構造になってます。池を含め、これも当時の遺構なんでしょうか。
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池の方から裏門方面を臨みます。
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陣屋は県道57号線を一本入った通り沿いにあります。県道57号線沿いはこの通り、まるで、土塁の
遺構かのような形状です。ここに、陣屋に関する案内版が設置されています(木の奥に見える白い
縦長の板が案内板です)。
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陣屋跡から300~400mほど東南へ進むと、県道沿いに金山神社という神社があります。
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この神社の脇を流れる水路は、新田開発の際に造られたもので、「代官堀」と呼ばれています。
今も地域の方の生活に活かされているそうです。
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神社とは、県道を挟んで反対側にも「代官堀」が流れています。
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その代官堀の周囲に広がる田畑に、大きな白い鳥(白鳥?無知な私には分かりません)がいて、
悠然と周辺の空を旋回していました。
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遠路はるばる訪れる場所ではないかもしれませんが、四方の堀がほぼ現存し、そして大規模な長屋門
が現存する陣屋って、かなり貴重だと思います。JR川越線の指扇駅から南へ1.5kmほど行ったところに
あります。歴史ファンの方、是非一度訪れてみて下さい。

ちなみに、文中にある小室陣屋(伊奈氏屋敷跡)と赤山陣屋については、こちらをご覧ください。

小室陣屋
http://kyouichi.blog.so-net.ne.jp/2008-12-21

赤山陣屋
http://kyouichi.blog.so-net.ne.jp/2012-12-22
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コメント 4

takenoko

春に日光街道を歩いていたら大きな長屋門の家がいくつかありました。長屋門だけでも、我が家より大きいです。
by takenoko (2013-11-09 05:05) 

ノリパ

立派なご門ですね。個人宅で現役というのがさらにすごいです。住んでみたいです、そんな豪邸に。
by ノリパ (2013-11-09 08:30) 

ねじまき鳥

立派な長屋門ですね。
ながく残してもらいたいですね。

by ねじまき鳥 (2013-11-10 22:43) 

アナログ侍

よく関東近郊を散歩しますが、この場所は知りませんでした。
今度行ってみます!
by アナログ侍 (2013-11-14 14:57) 

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