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那覇2 (琉球とモノレールと...) [沖縄]

沖縄、この南の島を、昨年末に続き、再び訪れることになった。
前回は、朝
6時半の飛行機で羽田を出て、取引先4社を訪問し、17
時半過ぎの飛行機
に乗るという強行スケジュールであり、「旅」としては極めて味気ないもので
あった。一方今回は、
14日から1泊2日の行程で取引先5
社を訪問する、ということ
で、それなりに時間的な余裕も作ることができた。その結果、これまでとは違った
発見もあったし、沖縄に対する印象も大きく変わることとなる。
また、いくつかの場所やものに感動し、すっかり気に入ってしまうことになる。


私としては、沖縄はこれまで3度訪れている。1度目はかれこれ25年近く前のこと。
学生時代に、与論島(鹿児島県)とのセットで那覇に1晩滞在した。
2度目は2001
年夏。家族四人で45
日の旅行を楽しんだ。そして前述の出張が
3度目。その3
度の経験がありながら、残念ながら、沖縄、あるいは那覇、というと、
海やビーチ、リゾートホテル、国際通り、首里城、泡盛に沖縄そばにちんすこう、

そして米軍。この程度の知識しか持ち合わせていなかった。ある意味、家族旅行
だと、この程度で充分だったのかもしれない。


14
日、11時過ぎに那覇空港に到着。この日の最高気温は16℃くらいで、寒かった
東京から来た私達にとっては、暑くもなく寒くもない、ちょうど過ごしやすい
陽気、であったが、この後取引先の面談相手やタクシーの運転手さんなど、会う
人はみな「寒いですねぇ」と言っていた。確かに、年末に来たときが
25
℃近かっ
たことを考えると、かなり「寒い」ということになる。

空港から県庁前まで、沖縄で唯一の“鉄道”である「ゆいレール」に乗車。
このモノレールは2003
8月から営業開始した、ということで、2001
年に家族で
来たときにはまさに急ピッチで工事が進められている真っ最中であった。
ちなみに、総工事費用
1,100
億円のうち支柱や軌道桁、駅などは道路特定施設
として約700億円をかけ、今話題の道路特定財源を充当したそうである。
モノレール建設にも道路特定財源が充当される、というのも、素人には違和感
があるが。

若干話しが脱線したが、そういうことで、今回初めて、このモノレールに乗車
した。結局、翌日を含め、4度乗車することになったが、このモノレールに、
鉄道好きの私はすっかり魅せられてしまった。冒頭に書いた、すっかり気に
入ったものの1つである。何が良かったか、それは、それほどスピードは出ない
が、コンパクトで流線型がかった斬新なデザイン、都心の鉄道とは違って、1
進むごとに新たな物語が展開したかのように変化する景色の良さ、そして地方
の鉄道でありながら、昼間でも最大10分間隔で運行されているという利便性、
こんなところが非常に気に入ってしまった。景色としては、特に、奥武山公園
駅から牧氏駅あたりまでの、川沿い進むシーンが美しい。

(那覇空港駅にて)

(この駅は、日本最西端の駅、とのこと)

 


(県庁前駅付近のビルの間を進む)

(川面に映った姿も、カッコいいかも)

 

この日はこの後、仕事を終えただけで、観光する時間はなかったが、1つの発見が
食事。昼食をとるため、初めは定番どおり国際通りを歩いてみたが、飲食店という
と、沖縄そば・ソーキそばの店か、ステーキ&伊勢えびの店ばかり。前日まで体調
不良だった私としては、もう少し平凡なものとか家庭的なものを欲していた。そこ
で、国際通りからちょっと入ったところにあった、いわゆる“大衆食堂”的な店
に。ここで、野菜チャーハンを注文してみたが、これが案外美味しかった。
この「教訓」に基づき、翌日も同じようなロケーションにあった店に入って、
カツ丼を注文してみたが、これもなかなかの味。旅行誌などによく紹介される沖縄
の料理、というと、雰囲気だけで味はイマイチ、という印象を持っていたが、実は
観光客向けでない店に入れば、家庭的な食事を美味しく、しかもリーズナブルな
値段で食べられる、ということがわかったのは、私にとっては大きな発見であった。

 

翌日、仕事の合間を使って、世界遺産 首里城へ。この城は、言うまでも無く琉球
王国の城であり、“日本の”城とは歴史的価値も趣も大きく異なるが、戦争に備え
た軍事施設、といった部分は共通しており、戦国時代の城郭と同じような石垣が
続いている。残念ながら太平洋戦争の際に消滅した数々の建築物は見事に再現され
ており、その、中国大陸文化をも連想させられる華麗さは、まさに見ごたえ充分
である。語彙の乏しい私にはこれ以上の表現はできないので、可能な限り写真を
撮っておいた。

ちなみに、正殿や南殿、北殿を見学するには拝観料800円が必要となるが、さきほど
のモノレールの1日乗車券を持っていると、20off640円になるという。モノレー
ルは1駅乗っても200円。空港から県庁前でも230円、そして1日乗車券が600円だから、
モノレールも乗るし、首里城にも行く、という人には絶対オススメ!
なお、この首里城も、今回すっかり気に入った場所の1つである。


(有名な守礼門)


(花も綺麗な、瑞泉門)


(漏刻門)


(広福門)


(正殿)


(王家の行事を行う、正殿二階の大庫理)

(このように、石垣も美しい)

 

首里城からはバスやタクシーを利用する人が多いようであるが、今回は、時間調整
の意味もあって、思い切ってモノレールの安里駅まで歩いてみることにした。

2キロ弱の道のりか。その途中には、玉陵や安国禅寺、といった首里に関連する

史跡があるほか、那覇の住宅などを見ていてもけっこう楽しい。赤い瓦屋根や玄関
先のシーサー。どれも特徴があって、見る者を飽きさせない。ちなみにこのシー
サー、沖縄伝統の魔除けとして全国的に有名だが、空港や国際通り、あるいは雑誌
などで見るのは、どちらかと言うと、観光客を意識した、やたら大きいか、漫画
チックか、あるいはお土産用か、というものばかりだか、こうして民家の間を歩い
ていると、シーサーの印象も変わってくる。すごく恐い顔をしていたり、手作風
だったり、色もいろんな色があったり、と。沖縄やシーサーに限ったことではない
が、旅に行ったら、観光客のいない町を歩いてみるのが、その町を知るには一番で
ある、そう実感せざるを得なかった。

(那覇の街並)

(沖縄では、ライオンズマンションのシンボルもシーサー)

 

さて今回、仕事の関係でいろんな人にお会いしたが、皆さんが嘆くのが、沖縄経済
の将来性について。海に囲まれた小さな島で、かつ九州でさえも遠いため、物流面
でのハンデはあまりにも大きく、どうしても製造業などが育たない。かつて幾つも

あった製糖工場ですら、今や1つ2つしか残っていない、という。

結果、農業と観光中心になるが、農業は発展性があまりなく、また沖縄物産品が
流行ることはあっても、それは一時的な現象でしかない。これは観光も同様。

しかも、いずれも季節による変動も大きい。近年は、人件費の安さに着目しての

コールセンター設置なども増えたが、これも県民経済を支えるほどのものでは

ない。とまぁ、こんな感じで。確かにそうなのかもしれない。

一方で、沖縄は、独立した王国であった時代から、今に至るまで、戦争やアメリカ
による統治、古くは薩摩藩による実質支配、など、複雑な、不幸な歴史を背負って
いる。これは、沖縄を除いた日本の連帯責任である。しがたって、みながそれぞれ
の立場で、沖縄を応援し、支援し、訪問し、そうやって、共に幸せになっていく
努力をする必要があるのだろう。聞けば、来年から、読売ジャイアンツが那覇で
一次キャンプをやる計画もあるとか。そういうことをきっかけに、もっともっと
元気な県、元気な島になって欲しい、そんなことを切に願いながら、15日夕、この
楽しい南の島を後にした。

 

(本文に関係ないけど、国際通りにあるゴーヤのベンチ) 

(お土産は、シーサーミルクチョコ)


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Morimo

お身体復活したようで何よりです。
今回の記事じっくり読んでしまいました。私も出張やプライベートで何回か訪問しましたが、いい島ですよね。なかなか難しいと思いますが、観光地として今まで以上の繁栄を応援しています。
by Morimo (2008-02-17 22:24) 

takechan

Morinoさん 毎度ありがとうございます。
今回は、いつもと違う調子で、かつやたら長い文章に挑戦してみました。
じっくり読んでいただきましたこと、光栄に思ってます。
by takechan (2008-02-18 06:38) 

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